2026年の年末調整でできない医療費控除・ふるさと納税・住宅ローン控除初年度を解説するアイキャッチ画像

情報確認日:2026年10月11日(10月27日に医療費控除とワンストップ特例の要件を国税庁で再確認)|対象:2026年分の所得税|会社員向け

「年末調整の書類を出したから、医療費もふるさと納税も自動で税金が安くなる」と思っていませんか。年末調整では処理できない控除があります。一方、生命保険料やiDeCoなど、会社に申告することで対応できるものもあります。

先に結論

医療費控除と住宅ローン控除の初年度は、原則として自分で確定申告が必要。ふるさと納税は確定申告かワンストップ特例で手続きし、年末調整には記入しません。生命保険料・地震保険料・直接支払ったiDeCoなどは、要件を満たせば年末調整で対応できます。

年末調整でできる控除・できない控除の早見表

まずは、自分が利用する制度を3つに分けて確認しましょう。「年末調整で申告できる」「自分で確定申告する」「別の手続きも選べる」は、同じものではありません。

項目 年末調整 主な手続き
生命保険料・地震保険料 ○ 勤務先へ申告・証明書を提出等
iDeCoの個人払込 ○ 小規模企業共済等掛金控除として申告
自分が支払った国民年金 ○ 社会保険料控除として申告
医療費控除 × 確定申告
ふるさと納税 × 確定申告またはワンストップ特例
住宅ローン控除・初年度 × 確定申告
住宅ローン控除・2年目以降 ○(一定条件) 必要書類を勤務先へ提出等

※「○」は誰でも無条件に控除される意味ではありません。適用要件、掛金の納付方法、提出書類などを確認してください。

なお、2026年分の所得税では基礎控除などが見直され、改正は原則2026年12月1日施行です。控除額そのものの変更や年収別シミュレーションは、2026年の年末調整はいくら戻る?で別途解説しています。

医療費控除:会社の年末調整には書けない

医療費控除は、一定の医療費を負担した人が確定申告で受ける所得控除です。「年間の医療費が10万円を超えたら、超えた額が現金で戻る」という理解も正しくありません。

通常の医療費控除額は、原則として次の式で求めます。控除額の上限は200万円です。

医療費控除額 = 実際に支払った対象医療費 − 保険金などで補てんされる金額 − 10万円

ただし、総所得金額等が200万円未満なら、最後の10万円を「総所得金額等の5%」に置き換えます。医療費控除を受ける本人と生計を一にする家族の対象医療費を合算できる場合があります。

独自計算例:医療費16万円でも還付16万円ではない

仮定:2026年の対象医療費16万円、対象医療費に対する保険金などの補てん2万円、総所得金額等200万円以上。

16万円 − 2万円 − 10万円 = 4万円

この4万円は所得から差し引く金額であり、戻る税金が4万円という意味ではありません。実際の所得税の減少額は、その人の課税所得・適用税率などで変わります。住民税への影響も所得税の還付と同じ時期・方法ではありません。

手続きは、医療費控除の明細書を作って確定申告します。原則として領収書を確定申告期限等から5年間保存しますが、所定の要件を満たす医療費通知を添付するなど、保存の取扱いが異なる場合があります。

ふるさと納税:確定申告するとワンストップ特例は無効に

ふるさと納税は年末調整では申告できません。確定申告が不要な給与所得者などで、寄附先が5団体以内などの要件を満たす場合は、ワンストップ特例で確定申告を省略できます。

ただし、同じ年分について確定申告すると、申請済みのワンストップ特例も無効になります。医療費控除や住宅ローン控除初年度のために申告する人は、ふるさと納税の寄附分も申告書に入力してください。

見落としやすい組み合わせ例

2026年に4自治体へふるさと納税し、4件ともワンストップ申請済み。その後、医療費控除のため2026年分の確定申告をすることになった場合、4自治体への寄附をすべて確定申告に含める必要があります。「医療費だけ申告して寄附はワンストップのまま」はできません。

また、寄附額のうち2,000円を超える全額が、無条件で税額から控除されるわけではありません。所得や家族構成などによる控除上限に注意してください。

住宅ローン控除:初年度は確定申告、2年目以降は年末調整が可能

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、対象住宅・居住年・借入期間などの要件を満たす場合に受けられる税額控除です。医療費控除のような所得控除とは仕組みが異なります。

初年度

本人が確定申告。勤務先の年末調整だけでは適用できません。

2年目以降

給与所得者は、必要書類を勤務先へ提出するなどして年末調整で適用できる場合があります。

2026年に入居した場合の適用条件や控除対象となる住宅の要件は、入居年の法令で判定してください。必要書類は金融機関の対応方式などによっても違うため、国税庁の案内で確認するのが確実です。

2026年末〜2027年の手続きチェックリスト

  1. 2026年10〜11月:生命保険料・地震保険料・iDeCo個人払込・国民年金など、会社へ申告する証明書類を確認する。勤務先の提出期限を優先する。
  2. 2026年12月:年末調整書類を会社へ提出。医療費・ふるさと納税・住宅ローン初年度は別ルートでの手続きが必要か判断する。
  3. 2027年1月以降:2026年分の源泉徴収票と医療費の明細・寄附情報・住宅ローン関係書類などを整理し、該当する場合は確定申告を準備する。
  4. 確定申告後:還付や翌年度住民税への反映を確認する。ふるさと納税の寄附を確定申告へ入れ忘れていないか再点検する。

確定申告義務のない会社員が納め過ぎた所得税を取り戻す還付申告は、原則として対象年の翌年1月1日から5年間提出できます。ただし、法定期限までの提出を要する特例などは別です。「必ず5年間いつでも同じ手続きでよい」とは考えないでください。

よくある質問

Q. 年末調整を終えてから確定申告してもいい?

A. はい。年末調整で給与分の税額を精算した後、医療費控除などを受けるために確定申告するケースは一般的です。源泉徴収票を使い、必要な所得・控除を申告します。

Q. iDeCoは年末調整で申告できる?

A. 個人払込のiDeCo掛金は小規模企業共済等掛金控除の対象で、証明書類などを用いて年末調整で申告できます。給与天引きの事業主払込など、掛金の納付方法によって扱いが異なるため、二重計上しないでください。iDeCoの掛金上限と節税の記事も参考にしてください。

Q. 学生時代の国民年金を支払った場合は?

A. 自分が実際に支払った国民年金保険料は、要件を満たせば社会保険料控除の対象です。誰が支払ったかで取扱いが変わるため、新卒の年末調整と国民年金の記事で確認してください。

Q. 年末調整で出し忘れた生命保険料控除はもう無理?

A. 勤務先で再調整に対応できるかは提出時期・会社の手続きによります。対応できない場合でも、本人が確定申告で控除を申告できることがあります。まず会社の人事・給与担当に確認してください。

この次に読むなら

まとめ:年末調整だけで済むか、手続き別に判断しよう

チェックする順番は、①勤務先に出す控除 → ②確定申告が必要な控除 → ③ワンストップ特例との重複です。特に「医療費控除のために確定申告したら、ふるさと納税のワンストップ申請が無効になる」は見落としやすいポイントです。2026年分の申告準備では、控除をひとまとめにせず、申告窓口と必要書類を分けて整理しましょう。

出典・確認資料(2026年10月11日確認)

この記事は一般的な制度解説です。実際の適用可否・控除額・申告義務は所得・世帯状況などで異なります。最終的な手続きでは国税庁や勤務先の最新案内を確認してください。

Next Step Log運営者。会社員として働きながら、20〜30代の社会人に向けて、給料、税金、社会保険、貯金、資産形成、転職について、国税庁・日本年金機構・厚生労働省などの一次情報を確認して解説しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です