ボーナスをもらってから退職するときの退職日(月末と月末以外)で変わる社会保険料と手取りの比較

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ボーナスの月に辞めるなら、
退職日が「月末か、それ以外か」を先に確認。

情報確認日:2026年11月1日(退職月の保険料と賞与の扱い・資格喪失月の賞与・平均標準報酬額の定義を日本年金機構で、年の途中で退職した人の年末調整を国税庁で確認)

  • 会社の健康保険・厚生年金は、退職日の翌日(資格喪失日)が属する月の前月までかかります。退職月に支給された賞与は、月末に退職する場合を除き保険料がかかりません(日本年金機構)。
  • 賞与50万円・月給30万円の仮の例では、賞与の手取りは12月31日退職で409,130円、12月30日退職で477,183円。
  • ただし月末以外に辞めると、12月分は国民年金(月17,920円)と国民健康保険などを自分で払い、12月の月給と賞与は厚生年金の記録に入りません。差額だけで決めず、次の入社日とセットで考えます。

「冬のボーナスをもらってから辞めたい。でも退職日は12月31日?それとも30日?」。事務・営業・販売・製造など職種に関係なく、年末から年明けに転職を考える会社員がよくぶつかる疑問です。この記事では、退職日を1日ずらすだけで変わる社会保険料と手取りを、一次情報のルールに沿って計算し、どちらを選ぶかの判断材料をまとめます。

※金額はすべて「説明のための仮の例」です。前提:12月10日に賞与50万円、月給(標準報酬月額)30万円、協会けんぽ東京支部(健康保険料率9.85%)+子ども・子育て支援金0.23%、40歳未満、厚生年金18.3%、雇用保険の労働者負担5/1,000、所得税は甲欄・扶養0人(前月の給与から社会保険料等を引いた額が9万4千円以上26万円未満のため賞与の算出率4.084%)。料率と算出率の根拠は冬のボーナスの手取りの記事と同じです。

ボーナス後の退職日で社会保険料が変わる仕組み

日本年金機構は、従業員が負担する保険料は「資格を取得した日の属する月から、喪失した日(退職日の翌日)の属する月の前月まで」発生すると説明しています。つまり、どの月まで会社の社会保険料がかかるかは退職日の翌日が何月かで決まります。

退職日資格喪失日(退職日の翌日)会社の社会保険料がかかる最後の月12月に支給された賞与の保険料
12月31日(月末)1月1日12月分までかかる
12月30日(月末の前日)12月31日11月分までかからない
12月20日など(月の途中)12月21日など11月分までかからない
1月31日(翌月の月末)2月1日1月分までかかる(12月は在籍中のため)

賞与については、同じページに「退職月に支給する賞与は、月末に退職する場合を除き、保険料控除の対象となりません」とあります。資格喪失月に支払われた賞与には保険料がかからない、というルールです。なお健康保険では、喪失日の前日までに支払われた賞与も標準賞与額として決定され、年度の累計(上限573万円)には含まれます。

雇用保険料と所得税は退職日に関係なく引かれます。保険料がかからなくなるのは健康保険(子ども・子育て支援金を含む)と厚生年金だけです。賞与50万円なら雇用保険料2,500円は、どちらの退職日でも引かれます。

計算例:12月31日退職と12月30日退職の手取り比較

同じ人が、退職日だけを変えた場合の比較です(仮の例)。

項目12月31日退職12月30日退職
賞与の健康保険料+支援金25,200円0円
賞与の厚生年金保険料45,750円0円
賞与の雇用保険料2,500円2,500円
賞与の所得税(仮の天引き)17,420円20,317円
賞与の手取り409,130円477,183円
12月分の会社の社会保険料(本人負担)42,570円0円
12月分の国民年金保険料0円17,920円
12月分の国民健康保険料(または任意継続)0円市区町村・加入先による
12月の月給と賞与の厚生年金の記録記録される記録されない

計算の中身(12月30日退職の賞与)

  1. 健康保険・厚生年金:資格喪失月(12月)の賞与のため0円
  2. 雇用保険:500,000円×5/1,000=2,500円
  3. 所得税:(500,000円−2,500円)×4.084%=20,317.9… → 20,317円(引かれる社会保険料が少ないぶん、課税の対象が大きくなる)

賞与の手取り:500,000円−2,500円−20,317円=477,183円(12月31日退職より68,053円多い)

12月31日退職の賞与の内訳は、冬のボーナスの手取りの記事の計算例(50万円)と同じです。12月分の会社の社会保険料42,570円は、標準報酬月額30万円の健康保険+支援金15,120円と厚生年金27,450円の合計。月末退職では、退職月の給与から前月分と退職月分の2か月分を控除できると日本年金機構が説明しています。

差額を「得」と言い切れない3つの理由

  1. 12月分は自分で国民年金・国民健康保険などに入る:会社の保険が11月分で終わるため、次の会社に入るまでの12月分は国民年金(令和8年度は月17,920円)と、国民健康保険か任意継続の保険料がかかります。国民健康保険料は市区町村と前年の所得で変わるので、住んでいる市区町村で確認してください。
  2. 将来の厚生年金が少し減る:日本年金機構によると、老齢厚生年金の計算に使う平均標準報酬額は「各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額」から出します。12月30日退職では、12月の月給30万円と賞与50万円の分が記録に入りません(国民年金に入れば、基礎年金の加入期間は途切れません)。
  3. 所得税・住民税が少し増える:払う社会保険料が減ると、そのぶん社会保険料控除も減るため、年末調整(または確定申告)の所得税と、翌年の住民税はやや増えます。

この例では、賞与と12月分の会社の社会保険料で110,623円(68,053円+42,570円)少なく済む一方、国民年金17,920円と国民健康保険料などが新たにかかり、厚生年金の記録と税金にも影響します。どちらが自分に合うかは、次の会社の入社日と、12月の国民健康保険料の額で決まります。退職後の健康保険の選び方は退職後の健康保険は任意継続・国保・扶養のどれが安い?で比べています。

ボーナス後の退職日を決める前に確認すること

1. 支給日に在籍していれば支給される規定か

賞与の支給条件は会社ごとの就業規則・賃金規程で決まります。「支給日に在籍している者に支給する」という定めがあるか、退職の申し出をした人の扱いがどう書かれているかを、退職を伝える前に確認しておきます。

2. 有給休暇の残り日数と最終出社日

退職日は「最後に出社する日」ではなく、雇用契約が終わる日です。有給休暇の残りを使い切ってから退職日にする場合は、退職日から逆算して最終出社日を決めます。付与日数の数え方は有給休暇の付与日・日数カレンダーで確認できます。

3. 年末調整を前の会社でしてもらえるか

国税庁によると、年の途中で退職した人のうち「12月に支給されるべき給与等の支払を受けた後に退職した人」は年末調整の対象です。12月の給料を受け取ってから12月中に辞めるなら、前の会社で年末調整が行われます。11月以前に辞めて年内に再就職しない場合は年末調整の対象にならないため、源泉徴収票を受け取って確定申告をします。2026年の年末調整の変更点は2026年の年末調整でいくら戻る?にまとめています。

4. 次の会社の入社日

1月1日付や年明けすぐに入社するなら、12月31日退職にすれば保険の空白ができず、国民年金・国民健康保険の手続きも要りません。反対に、退職後しばらく休む予定なら、退職日に関係なく国民年金・健康保険の切り替えが必要になります。退職後に必要なお金の見積もりは仕事を辞めたいけど貯金はいくら必要?の貯金シミュレーターで計算できます。

ボーナスをもらって辞める人の年内チェックリスト

  • 就業規則・賃金規程で、賞与の支給日在籍の条件と退職の申し出の期限を確認した
  • 賞与の支給日と、退職日(月末か月末以外か)を決めた
  • 有給休暇の残り日数から、最終出社日を逆算した
  • 次の会社の入社日を確認し、保険の空白ができるかを確かめた
  • 空白ができる場合、国民年金と国民健康保険(または任意継続)の手続き先と保険料を調べた
  • 12月の給料を受け取ってから辞めるか(前の会社で年末調整が受けられるか)を確認した
  • 源泉徴収票を受け取る方法(郵送先など)を伝えた
  • 賞与明細で、健康保険・厚生年金の保険料が退職日に合った扱いになっているか確認した

転職先の求人をまだ比べている段階なら、ボーナスの「年○か月分」や固定残業代も含めて求人2社の比較シミュレーターで実質時給を出しておくと、年明けの応募で迷いにくくなります。今の職場の残業代が正しいかは残業代・夜勤手当の計算シミュレーターで確かめられます。

よくある質問

12月31日が会社の休みでも、退職日にできますか?

退職日は出社する日である必要はなく、会社との合意で決まります。休日を退職日にできるかは会社の手続きによるため、退職届を出す前に人事・総務に確認してください。

賞与の支給月より後(1月以降)に辞める場合は?

12月の賞与は在籍中の月に支給されるため、通常どおり保険料がかかります。1月以降の退職日を月末にするかどうかは、退職月の月給の保険料と、上の表と同じ「保険の空白」の話になります。

ボーナスの所得税は戻ってきますか?

賞与の所得税は前月の給料を基準にした仮の天引きです。1年分の所得税は年末調整か確定申告で計算し直され、引かれすぎていれば戻ります。

この次に読むなら

参考資料・確認先

※この記事は2026年11月1日時点の公的資料をもとにした一般的な情報です。実際の保険料・税額は、加入している健康保険、会社の給与の締め日・支払日、端数処理、扶養の状況などで変わります。退職日や賞与の支給条件は、勤務先の就業規則と人事・総務の担当者に確認してください。

Next Step Log運営者。会社員として働きながら、20〜30代の社会人に向けて、給料、税金、社会保険、貯金、資産形成、転職について、国税庁・日本年金機構・厚生労働省などの一次情報を確認して解説しています。

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