「2026年の年末調整でいくら戻る?基礎控除の引上げで税金はどう変わる?」の記事のアイキャッチ画像

情報確認日:2026年10月27日(令和8年分の年末調整・基礎控除等の改正内容と試算を国税庁の資料で確認)

「2026年の年末調整は、去年より多く戻る?」「基礎控除が増えたなら、その分がそのまま現金で返ってくる?」。2026年は所得税の基礎控除などが改正されるため、例年より年末調整の結果が気になる人も多いはずです。

先に結論

2026年の年末調整では、基礎控除の引上げなどを反映して1年間の所得税を計算し直します。その結果、すでに給与や賞与から引かれた所得税の合計が本来の年税額より多ければ還付、少なければ追加徴収になります。

ただし、「基礎控除が36万円増えたから36万円戻る」という意味ではありません。控除が増えると「税金を計算する対象となる所得」が減り、その結果として所得税が減ります。

国税庁によると、2026年分は基礎控除、給与所得控除の最低保障額、扶養親族等の所得要件などが見直され、改正は原則として2026年12月1日施行です。2026年11月までの毎月の源泉徴収事務は従来どおりで、12月の年末調整で改正後の控除額を使って精算します。

2026年の年末調整は何が変わる?

国税庁の「令和8年分 年末調整」では、昨年からの主な変更として、次の4点が案内されています。

  • 基礎控除の引上げ
  • 給与所得控除の最低保障額の引上げ
  • 扶養親族等の所得要件の改正
  • 23歳未満の扶養親族がいる場合の生命保険料控除の特例

会社員に特に広く影響するのが基礎控除の引上げです。

2026年分の基礎控除
合計所得金額489万円以下の人は、2026年分の基礎控除が原則104万円になります。2025年は所得に応じて95万円・88万円・68万円などに分かれていたため、同じ給与でも2026年の方が課税所得が小さくなるケースがあります。

また、給与所得控除の最低保障額は2025年分の65万円から2026年分は74万円に引き上げられます。ただし、年収300万円・400万円・500万円・600万円のような水準では、給与所得控除の計算式自体は2025年と2026年で同じため、今回のモデル比較では主に基礎控除の差が効いてきます。

そもそも、なぜ年末調整でお金が戻るの?

会社員の給与から毎月引かれている所得税は、最終的な年間税額そのものではありません。毎月の給与・扶養人数などをもとに、いったん源泉徴収されています。

年末になって1年間の給与や各種控除が確定したら、本来納めるべき所得税を計算し直し、すでに引かれた税額と比べます。

年末調整の差額 = 1年間に源泉徴収された所得税等 - 本来の年調年税額

この金額がプラスなら還付、マイナスなら追加徴収です。

年末調整=必ず還付ではありません。
1年間に引かれていた所得税が本来の年税額より少なければ、年末調整で追加徴収されることもあります。

2025年と2026年で何が変わった?

項目 2025年分 2026年分 主なポイント
基礎控除 合計所得132万円以下95万円、132万円超336万円以下88万円、336万円超489万円以下68万円、489万円超655万円以下63万円、655万円超2,350万円以下58万円 合計所得489万円以下104万円、489万円超655万円以下67万円、655万円超2,350万円以下62万円 多くの会社員で控除額が増加
給与所得控除の最低保障額 65万円
(給与収入190万円まで)
74万円
(給与収入220万円まで)
比較的給与収入が低い層への影響が大きい
扶養親族等の所得要件 合計所得58万円以下
給与のみなら123万円以下
合計所得62万円以下
給与のみなら136万円以下
扶養判定の所得要件が拡大
23歳未満の扶養親族がいる場合の一般生命保険料控除 新契約は原則最高4万円 一定の場合、新契約は最高6万円 生命保険料控除全体の最高12万円は変わらない
2026年の改正は原則2026年12月1日施行です。
国税庁は、2026年11月までの給与の源泉徴収事務については変更せず、12月の年末調整で改正後の給与所得控除・基礎控除等を使って1年分の税額を精算するよう案内しています。

年収300・400・500・600万円ならどう変わる?

ここでは「制度変更だけで所得税がどの程度変わり得るか」を見るため、条件をそろえたモデルケースを作ります。

モデル条件
給与収入のみ/他の所得なし/扶養なし/住宅ローン控除・生命保険料控除・iDeCo等なし/社会保険料控除は比較用に給与収入の15%と仮定。復興特別所得税を含め、年末調整と同様に年調年税額は100円未満を切り捨てています。
※実際の社会保険料は年齢、標準報酬、加入先、賞与等で異なるため、この表はあくまで制度差を見るための概算です。
給与収入 給与所得控除 給与所得 基礎控除
2025→2026
課税所得のモデル
2025→2026
年税額のモデル
2025→2026
差額
300万円 98万円 202万円 88万円 → 104万円 69万円 → 53万円 約3万5,200円 → 約2万7,000円 約8,200円減
400万円 124万円 276万円 88万円 → 104万円 128万円 → 112万円 約6万5,300円 → 約5万7,100円 約8,200円減
500万円 144万円 356万円 68万円 → 104万円 213万円 → 177万円 約11万7,900円 → 約9万300円 約2万7,600円減
600万円 164万円 436万円 68万円 → 104万円 278万円 → 242万円 約18万4,200円 → 約14万7,500円 約3万6,700円減

このモデルでは、年収500万円や600万円の方が差額が大きくなっています。理由は、基礎控除の増加額だけでなく、課税所得が所得税率5%と10%の境目をまたぐかどうかでも税額差が変わるためです。

上の「差額=実際の年末調整の還付額」ではありません。
表は2025年と2026年の制度を同じ条件で比べた「年税額の差」です。実際の還付額は、2026年中に給与・賞与からすでに引かれた源泉所得税の合計と、最終的な2026年の年調年税額との差で決まります。

実際の還付額はどう計算する?

自分の年末調整結果を知るには、年収だけでは足りません。

最も重要なのは、1年間にすでにいくら所得税が引かれたかです。

例:年調年税額が14万7,500円になった場合

1年間の源泉徴収税額が17万円なら、

17万円 − 14万7,500円 = 2万2,500円

→ 約2万2,500円の還付というイメージです。

逆に、源泉徴収税額が14万円だった場合

14万円 − 14万7,500円 = ▲7,500円

→ 約7,500円の追加徴収というイメージです。

つまり「年収600万円だから3万6,700円戻る」ではありません。3万6,700円はあくまで上のモデルで2025年制度と2026年制度を比較した税額差です。

還付になりやすい・追加徴収になりやすいケース

還付が増える方向に働きやすい例

  • 2026年の基礎控除引上げで年税額が下がる
  • 生命保険料控除を年末調整で申告する
  • 給与天引き以外で支払ったiDeCo掛金等を申告する
  • 扶養親族等の要件を満たし、該当する控除を受ける
  • 住宅ローン控除を年末調整で受けられる年である
住宅ローン控除は、原則として最初の年は確定申告が必要です。給与所得者で要件を満たす場合、2年目以降は年末調整で受けられることがあります。

追加徴収になることがある例

  • 扶養人数や配偶者の所得状況が年の途中で変わった
  • 給与・賞与の変動などにより、毎月の源泉徴収額と年間税額にズレが生じた
  • 年末に確認した結果、予定していた控除の要件を満たさなかった

年末調整は「還付イベント」ではなく、あくまで1年間の所得税を正しい金額に合わせる精算だと考えると分かりやすいです。

年末調整の還付金はいつ受け取る?

国税庁は、年末調整の過納額が出た場合、年末調整を行った月分の源泉徴収税額から差し引いて従業員に還付するとしています。年末調整を行う月は通常12月です。

実際にどの給与・賞与明細に反映するかは、勤務先の給与計算スケジュールによります。自社の年末調整案内や12月の給与明細で「年調還付」「年末調整還付」などの項目を確認してください。

自分はいくら戻るか確認する方法

  1. 2026年の給与・賞与の合計を確認
    源泉徴収票では「支払金額」に当たります。
  2. 給与明細の所得税を合計する
    1年間にすでに源泉徴収された所得税等を把握します。
  3. 社会保険料等を確認する
    給与明細や年末調整書類で年間額を確認します。
  4. 年末調整で使える控除を確認する
    生命保険料、地震保険料、iDeCo、扶養、配偶者、住宅ローン控除などを確認します。
  5. 2026年の基礎控除を適用する
    合計所得金額に応じて104万円・67万円・62万円などに分かれます。
  6. 年調年税額と源泉徴収済み税額を比較する
    源泉徴収済みの方が多ければ還付、少なければ追加徴収です。
国税庁の「年末調整計算シート」も使えます。
令和8年分の年末調整ページには、年税額を計算するための公式Excelシートが用意されています。会社の年末調整結果を確認したい人にも便利です。

年末までに確認したいもの

提出前に使う|年末調整の確認メモ

まず勤務先の提出期限を確認し、以下を自分のメモ帳へコピーしてください。これは書類をそろえるための整理表で、勤務先へ提出する申告書ではありません。

確認する数字・条件見る資料間違えやすい点
今年の給与・賞与の見込合計給与明細、賞与明細、勤務先の案内手取り額ではなく課税対象の支給額で整理。非課税の通勤費と分ける
年末調整前に天引きされた所得税等給与・賞与明細の所得税欄住民税や社会保険料を足さない。未支給分は確定額と区別する
給与以外で自分が払った社会保険料国民年金の控除証明書、納付記録など給与天引き分の二重計上を避ける。家族分は実際の支払者と対象条件を確認
生命保険・地震保険・個人払込のiDeCo各控除証明書保険料の支払額と所得控除額を混同しない
年の途中で転職した場合前職の源泉徴収票前職分を勤務先が合算しているか確認し、自分の集計で二重に足さない

記入例:「自分で払った国民年金あり/控除証明書は未着/勤務先の提出期限までに受領できるか確認」。金額が分からない欄は0円と決めず、「未確認」と残します。

この記入欄には送信・保存機能はありません。編集したメモは自分の端末へコピーして保管してください。氏名、マイナンバー、口座番号は記入不要です。

国税庁の給与所得者向け年末調整案内と社会保険料控除も確認してください。確認表の追加:2026年10月10日。

年末調整で控除を受けるには、勤務先に必要な申告書や証明書を期限までに提出する必要があります。

  • 扶養控除等(異動)申告書
  • 基礎控除申告書
  • 配偶者控除等申告書
  • 保険料控除申告書
  • 生命保険料・地震保険料の控除証明書
  • 給与天引き以外で支払った国民年金保険料等の証明書
  • 年末調整で住宅ローン控除を受ける場合の必要書類
「会社が全部分かっている」と思わないこと。
生命保険料や自分で支払ったiDeCo掛金など、会社が自動的には把握できない控除もあります。提出漏れがあると、年末調整では反映されません。

年末調整で戻ったお金をそのまま使うか、貯金に回すか迷う場合は、先に生活費の予備資金を確認しておくと判断しやすくなります。Next Step Logでは、生活防衛資金はいくら必要?一人暮らしの計算例でも具体例をまとめています。

まとめ

2026年の年末調整では、基礎控除などの引上げを反映して年間の所得税を計算し直します。

合計所得489万円以下では基礎控除が104万円になるなど、2025年より課税所得が小さくなる人が多く、同じ条件なら年税額が下がるケースがあります。

ただし、実際に「いくら戻るか」は年収だけでは決まりません。1年間に源泉徴収された税額、社会保険料、扶養、生命保険、iDeCo、住宅ローン控除などを含めて計算した年調年税額との差で決まります。

まずは給与明細の所得税を合計し、年末調整で使える控除の証明書をそろえるところから始めましょう。

参考・出典(2026年10月1日確認)

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。税額は給与、賞与、社会保険料、扶養状況、各種控除などによって異なります。モデル計算は実際の還付額を保証するものではありません。

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Next Step Log運営者。会社員として働きながら、20〜30代の社会人に向けて、給料、税金、社会保険、貯金、資産形成、転職について、国税庁・日本年金機構・厚生労働省などの一次情報を確認して解説しています。

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