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夜勤手当が正しいかは、
「時給 × 25% × 深夜の時間」で確かめられる。
- 夜勤の深夜割増は、22時〜翌5時に働いた時間 × 時給 × 25%以上が法律上の最低ラインです。
- 会社が「夜勤手当〇円」と定額で払っている場合も、法律の計算額を下回っていないかが確認ポイントです。
- 夜勤手当は給料の一部なので、所得税・住民税の対象になり、社会保険料の計算にも影響します。
給与明細の「夜勤手当」を見ても、それが多いのか少ないのかは分かりにくいものです。この記事では、自分の時給から法律上の最低ラインを計算し、明細と見比べる方法を、早見表つきで紹介します。
深夜割増は「22時〜5時」に働いた時間だけにつく
労働基準法では、午後10時から午前5時までの深夜労働に対して、通常の賃金の25%以上を上乗せして払うことが定められています。
ポイントは、「夜勤のシフト全体」ではなく「22時〜5時に実際に働いた時間」だけが対象になることです。休憩時間は働いていないので、対象外になります。
| 働き方 | 割増率(法律の最低ライン) |
|---|---|
| 深夜(22時〜5時) | 25%以上 |
| 時間外(1日8時間・週40時間を超えた分) | 25%以上 |
| 時間外 + 深夜 | 50%以上 |
| 法定休日 + 深夜 | 60%以上 |
| 月60時間を超える時間外 | 50%以上(2023年4月から中小企業も対象) |
計算例:20時〜翌5時の夜勤の場合
次の条件で計算してみます(説明のための仮の例です)。
- 時給換算:1,500円
- 勤務:20時〜翌5時(休憩は0時〜1時の1時間)
- 実働:8時間(時間外なし)
① 22時〜5時の間に働いた時間
22時〜5時は7時間。そのうち休憩1時間を引いて、6時間です。
② 1回あたりの深夜割増
1,500円 × 25% × 6時間 = 2,250円
③ 月8回夜勤に入った場合
2,250円 × 8回 = 18,000円
実働が8時間を超えて残業になった場合、22時〜5時の残業部分は「時間外+深夜」で50%以上の割増になります。
月給制の人は「時給換算」から始める
月給制の場合は、まず自分の時給を出します。おおまかには次の式です。
時給換算 = 割増の計算に含める月給 ÷ 1か月の平均所定労働時間
たとえば、計算に含める月給が24万円、1か月の平均所定労働時間が160時間なら、時給換算は1,500円です(説明のための仮の例です)。
家族手当・通勤手当・住宅手当など、一部の手当は割増の計算から除いてよいとされています。ただし、全員に一律で払われる住宅手当のように、名前だけでは除外できないものもあります。正確な時給は、就業規則や賃金規程で確認してください。
定額の「夜勤手当」と法律の深夜割増は別もの
「夜勤1回につき〇円」と、定額の夜勤手当を決めている会社も多くあります。
この場合の確認ポイントは、定額の夜勤手当が、法律で計算した深夜割増の額以上になっているかです。上の例なら、1回2,250円を下回っていないかを見ます。
下回っているように見えても、就業規則で別の扱いになっていることもあります。まずは自分の計算と会社の規程を並べて確認し、分からなければ人事・総務に質問しましょう。それでも解決しない場合は、労働基準監督署の相談窓口があります。
早見表:月8回・深夜6時間ずつの場合の最低ライン
1回の夜勤で22時〜5時に6時間働き、月8回入った場合(深夜労働は月48時間)の、深夜割増の最低額です。
| 時給換算 | 1回あたり | 月8回の合計 |
|---|---|---|
| 1,200円 | 1,800円 | 14,400円 |
| 1,400円 | 2,100円 | 16,800円 |
| 1,600円 | 2,400円 | 19,200円 |
| 1,800円 | 2,700円 | 21,600円 |
会社の定額の夜勤手当が、自分の時給の行の「1回あたり」を下回っていないかを見てみましょう。深夜の時間が6時間でない場合は、「時給 × 0.25 × 深夜の時間」で計算し直してください。
残業や法定休日の出勤も含めて1か月分をまとめて計算したい場合は、夜勤手当・残業代の計算シミュレーターが使えます。月給制の時給換算や、会社の夜勤手当との比較もできます。
質問するときの聞き方の例
人事・総務に確認するときは、「少ないのでは」と伝えるより、計算の根拠を聞く方がスムーズです。
- 「夜勤手当には、法定の深夜割増分が含まれていますか?」
- 「深夜割増の計算に使っている時給(単価)はいくらですか?」
- 「残業が22時以降にかかった場合は、どの欄に反映されますか?」
給与明細で確認する3か所
- 深夜割増(または夜勤手当)の欄:何時間分・何回分として計算されているか
- 勤怠の深夜時間:タイムカードの深夜時間と明細の時間が合っているか
- 時間外+深夜の扱い:残業が深夜帯にかかった月に、割増が上乗せされているか
給与明細の見方の全体像は、2026年の給与明細と確認点の記事もあわせてどうぞ。
夜勤手当が増えると税金・社会保険料も変わる
夜勤手当や深夜割増は給料の一部なので、所得税と翌年の住民税の対象になります。
社会保険料(健康保険・厚生年金)は、原則として4月・5月・6月の報酬の平均をもとに決まり、その年の9月から翌年8月まで使われます。この3か月に夜勤や残業が集中すると、1年間の保険料が上がることがあります。仕組みの詳細は、9月・10月に社会保険料が上がった理由の記事で解説しています。
なお、保険料が上がると、将来受け取る厚生年金や、傷病手当金などの給付額にも反映されます。単純に「損」とは言い切れない点も覚えておきましょう。
今日できること(15分)
- 直近の給与明細と勤怠記録を用意する
- 先月の「22時〜5時に働いた時間」を数える
- 時給換算 × 25% × その時間を計算し、明細の金額と比べる
よくある質問
Q. 夜勤明けの5時以降に残業した分も深夜割増になりますか?
深夜割増の対象は22時〜5時の時間だけです。5時以降の残業は、時間外労働として25%以上の割増の対象になります。
Q. パート・アルバイトでも深夜割増はつきますか?
深夜割増は雇用形態に関係なく、労働者であれば対象です。
Q. 管理職は深夜割増がつかないのですか?
労働基準法上の「管理監督者」は時間外・休日の割増の対象外ですが、深夜割増は対象とされています。役職名だけで管理監督者になるわけではないので、扱いは会社に確認してください。
参考資料・確認先
※この記事は仕組みを理解するための一般的な情報です。実際の支給額や扱いは、会社の就業規則・賃金規程によって異なります。個別の判断は、会社の担当部署や労働基準監督署にご確認ください。
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