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アプリでは、+10%。
このお金、売ったらいくら戻る?
仕事帰りに投資アプリを開くと、買った投資信託がプラスになっている。「少し売って、買い替えや旅行の費用に使おうかな」。でも、売却画面へ進んだら、さっき見た金額より少ない。
手数料がそんなにかかるのか。それとも、まだ受け取れない利益なのか。売る前に知りたいのは、難しい用語より「結局、いくらを、いつ使えるのか」ですよね。
画面の評価額は、受取額の確約ではありません。売却価格・口座の税金・換金時の費用で変わります。100万円で買った分が110万円で売れ、売買の費用が0円なら、下記条件の課税口座では税引後107万9,685円、NISAでは110万円です。
売却画面の「注文可能額」が低いだけなら、値動きに備えた表示上の上限の場合もあります。まずは、数字の名前を確認しましょう。
- +10%の表示を、税引後の受取額に置き換える方法
- NISAでも評価額と受取額がずれる理由
- 売る前・売った後に確認する画面と日付
初めて投資信託を売ろうとしている方、明細の金額が予想と違った方に役立つ内容です。
まず「+10%」は何の数字?戻る総額と利益を分ける
たとえば、100万円で買った投資信託の画面に「評価額110万円・評価損益+10万円・評価損益率+10%」と出ている場面を考えます。ここでは、途中の売却・分配金・購入時手数料がない単純な例です。
| 表示 | この例の数字 | 何を表す? |
|---|---|---|
| 評価額 | 110万円 | 保有分を表示中の基準価額で換算した額 |
| 評価損益 | +10万円 | 取得額100万円との差 |
| 評価損益率 | +10% | 10万円÷100万円×100 |
スマホでは表を左右に動かせます。
110万円の中には、最初に出した100万円も含まれています。110万円全部が利益でも、戻るお金が利益10万円だけでもありません。
また、この+10%は保有分の取得額に対する増加率です。この例では年利10%という意味ではなく、毎年10%ずつ増える約束でもありません。
「評価損益」「トータルリターン」「前日比」は、同じ数字ではありません。
楽天証券の説明では、トータルリターンには過去の分配金や売却額も含めます。過去に受け取ったお金を含む指標なら、その数字を今回の受取額に足すと二重計算になります。表示の定義は利用先のヘルプで確認してください。
出典:楽天証券「トータルリターンと評価損益の違い」(確認日:2026年9月26日)。
100万円が110万円で売れたら?NISAと課税口座で比較
「利益に約2割の税金」と聞くと、110万円の2割が消えるように感じるかもしれません。この例で税金の計算に使うのは、110万円−100万円=10万円の利益です。
出典:国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税」(確認日:2026年9月26日)。
日本の居住者である個人が、2026年中に同じ保有分を全額売却する架空例です。分配金・途中売却なし、購入時手数料・換金時手数料・信託財産留保額・出金費用は0円。取得費は購入額と同額とします。
課税口座は特定口座(源泉徴収あり)。他の取引との損益通算・繰越控除などはない条件です。国税15.315%と住民税5%を利益に別々に掛け、それぞれ1円未満を切り捨てるモデルとします。実際の徴収額は年内の他の取引や端数処理等でも変わるため、明細を優先してください。
運用期間を仮定して増え方を予測する計算ではなく、指定した価格で売れた場合の計算です。NISAの例は、売却する保有分がNISA口座に入っている場合に限ります。
課税口座なら、増えた10万円から20,315円を引く
今回の条件では、税率は国税15.315%と住民税5%の合計20.315%です。特定口座で源泉徴収を選んでいる場合、金融機関が所定の計算で税金を差し引きます。
出典:国税庁「No.1476 特定口座制度」(確認日:2026年9月26日)。
住民税:100,000円 × 5% = 5,000円
税金合計:20,315円
税引後:1,100,000円 − 20,315円 = 1,079,685円
一方、その保有分がNISA口座にあれば、売却益への国内課税はありません。この例の受取額は110万円です。NISA口座を開設済みでも、特定口座で買った保有分が自動で非課税になるわけではありません。まず売る商品の「預り区分」を見てください。
出典:金融庁「NISAを知る」(確認日:2026年9月26日)。
架空例|100万円で取得 → 110万円で全額売却
価格が同じでも、口座区分で税引後の金額が変わる
増えた分は79,685円
増えた分は100,000円
2026年・売買等の費用0円・他の損益との相殺なし。分配金なし。確定受取額や将来の利益を保証する図ではありません。
10万円・50万円でも、同じ+10%なら?
売却価格が取得額の1.1倍になった場合を比べます。前述と同じ条件・端数処理で、全額を売る試算です。
| 取得額 | 税引前売却額 | 課税口座の税金 | 課税口座の受取額 | NISAの受取額 |
|---|---|---|---|---|
| 100,000円 | 110,000円 | 2,031円 | 107,969円 | 110,000円 |
| 500,000円 | 550,000円 | 10,157円 | 539,843円 | 550,000円 |
| 1,000,000円 | 1,100,000円 | 20,315円 | 1,079,685円 | 1,100,000円 |
スマホでは表を左右に動かせます。
この比較から分かるのは、同じ値上がりでも税引後の利益が違うことです。「今売る方が得」「NISAへ移すために売るべき」という結論を示す表ではありません。価格が下がれば元本割れもあり、非課税でも値下がりは防げません。
NISAでも受取額が変わる?売却価格が決まるタイミング
「自分はNISAだから、今見えている110万円がそのまま入るはず」。ここにも、もう一つ確認が必要です。
通常の投資信託は、売却を申し込む時点で取引価格が確定しているとは限りません。取引が成立する「約定日」の基準価額で決まり、商品によって注文当日や翌営業日以降などの違いがあります。今見ている評価額と、実際の売却額がずれる理由です。
出典:SBI証券「投資信託はいつの基準価額で成立するのか」(確認日:2026年9月26日)。
同じ保有分が108万・110万・112万円で売れたら
取得費100万円、売買等の費用0円、他の損益との相殺なしという前節の条件で、売却額だけを変えます。上下2万円は仕組みを比べるための仮定で、想定変動幅や予測ではありません。
| 実際の税引前売却額 | 課税口座の税金 | 課税口座の受取額 | NISAの受取額 |
|---|---|---|---|
| 1,080,000円 | 16,252円 | 1,063,748円 | 1,080,000円 |
| 1,100,000円 | 20,315円 | 1,079,685円 | 1,100,000円 |
| 1,120,000円 | 24,378円 | 1,095,622円 | 1,120,000円 |
スマホでは表を左右に動かせます。
たとえば、110万円の買い物の支払いを考えているなら、評価額110万円だけでは足りると確定できません。課税口座では税金があり、NISAでも約定までの値動きで不足する可能性があります。
売れた日と、銀行で使える日は別
楽天証券の案内では、投資信託の売却代金は約定後の受渡日から出金でき、銀行への着金時期は出金方法で異なります。利用先の「受渡予定日」と「出金・着金予定日」の両方を確認しましょう。
出典:楽天証券「投資信託を取引するには」売却・出金の案内(確認日:2026年9月26日)。
注文の締切、国内外の休業日、換金受付の制限などは商品ごとに異なります。「今日売れば明日には使える」と決めつけず、商品詳細と出金案内を先に見てください。
売却画面の金額が少ない。差額は全部手数料?
保有画面は110万円なのに、売却画面では104万5,000円。「5万5,000円も引かれるの?」と不安になる数字です。
その欄が「注文可能額」なら、受取予定額とは別の場合があります。SBI証券の公式FAQでは、基準価額の変動を考慮して、評価額から5%を引いた注文可能額を表示すると説明しています。
評価額1,100,000円 × 95% = 注文可能額1,045,000円
この差55,000円を、そのまま税金や手数料と読むことはできません。SBI証券は全額売る場合に「全額」を選ぶ方法も案内しています。ただし、全額指定でも現在の評価額で売れる保証はありません。表示ルールは金融機関によって異なります。
出典:SBI証券「売却画面に表示される注文可能額が少ない理由」(確認日:2026年9月26日)。
信託報酬を、評価額からもう一度引かない
運用・管理の費用である信託報酬は、基準価額の計算時に日々差し引かれています。その基準価額による評価額から、過去の信託報酬をもう一度まとめて引くと二重計算になります。
一方、換金時の手数料や、信託財産留保額という換金時にファンドへ残す費用がある商品もあります。これらは別途、目論見書の「手続・手数料等」「ファンドの費用」などで確認してください。
出典:三井住友銀行「投資信託の手数料はどれくらいかかる?」(確認日:2026年9月26日)。
表示されている数字から費用を全部引き直すわけではありません。
自分の場合はいくら?売る前・売った後の確認欄
ここまで分かれば、売却ボタンを押す前に、確認する場所を絞れます。画面名は利用先で違いますが、見る項目は次のとおりです。
| いつ・どこで | 見る項目 | 判断したいこと |
|---|---|---|
| 保有商品一覧 | 銘柄・預り区分・評価額・取得額 | どの保有分がNISA/特定口座か |
| 商品詳細・目論見書 | 約定日・換金費用・受付制限 | いつの価格で売れ、費用があるか |
| 売却注文の確認画面 | 全額/口数/金額指定・概算表示 | 何をいくら売る注文になっているか |
| 約定後の取引履歴・明細 | 約定価額・口数・諸費用・税額 | いくらで売れ、何が引かれたか |
| 入出金・出金案内 | 受渡日・出金可能額・銀行着金日 | 支払日に間に合うか |
スマホでは表を左右に動かせます。
まず概算を出すなら
= 売却額 − その売却分の取得費 − 売却時の必要経費
税引後受取額の概算
= 売却額 − 売却時の費用 − 利益に対する税金
課税口座で利益がプラスなら、税金の概算に20.315%を使えます。ただしこれは前述の単純な条件での目安です。一部だけ売るときは、保有分全体の取得費を丸ごと引きません。売却する口数に対応する取得費を用います。
出典:国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税」(確認日:2026年9月26日)。
積立で何度も購入した人は、最初に買ったときの価格だけでは計算できません。利用先が計算した平均取得価額と売却口数を確認する方が、取引を一から足し直すより照合しやすくなります。
特定口座(源泉徴収あり)では、同じ年の他の取引との相殺などで実際の徴収額が変わる場合があります。別口座との損益通算や繰越控除の適用には申告が必要な場合もあるため、単発の試算と年間の税額を混同しないでください。
出典:国税庁「No.1476 特定口座制度」(確認日:2026年9月26日)。
この記事の受取額表は源泉徴収ありのモデルです。それ以外の口座では、確定申告・納税の要否を自分の所得や取引状況に応じて確認してください。
明細で税金が別表示されるか、受渡金額にすでに反映されているかも利用先で確認します。税引後の金額から、税金を再び引かないようにしましょう。
「○○ファンドの売却について、画面の評価額と受取額に差があります。適用された基準価額の日付、売却口数、換金費用、税金がどの欄に反映されているか、銀行への着金予定日を確認したいです。」
今日できる3ステップ|売るかどうかは、使う目的から決める
受取額の仕組みが分かっても、+10%という数字だけで「売る」「持ち続ける」を決める必要はありません。まずは使う目的と期限から考えます。
| 今の状況 | 判断するために確認すること |
|---|---|
| 近いうちに支払いがある | 必要な手取り額・受渡日・銀行着金日 |
| 当面使う予定はない | 当初の運用目的や期間が変わっていないか |
| 手元の現金が少なく不安 | 生活費と予定支出を、預金でどこまで賄えるか |
スマホでは表を左右に動かせます。
使う予定がないなら、数字がプラスという理由だけで売却を急ぐ必要はありません。一方、支払いが迫っているのに「もう少し増えるはず」と待つことにも値下がりのリスクがあります。この記事の計算は、売り時を予測するものではありません。
- 必要な金額と、使う日を書く。
「いくら増えたか」だけでなく、「何のために、いつまでに何円ほしいか」を決めます。 - 口座・費用・日付を確認する。
保有商品の預り区分、換金費用、約定日・受渡日・着金予定日をメモします。確認だけで終えても構いません。 - 売る場合は、約定後の明細で答え合わせ。
概算と実際の受取額を照合し、価格変動・税金・費用を分けて見ます。使う予定のお金は、銀行への着金まで確認しましょう。
本記事は仕組みを理解するための一般的な情報です。特定商品の売買を勧めるものではありません。実際の税金・費用・取引日程は、ご自身の口座と商品の最新案内で確認してください。アイキャッチはAI生成のイメージで、実在の取引画面ではありません。
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