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冬のボーナス、口座に入るのは
額面のおよそ8割。
- ボーナスから引かれるのは健康保険料(+子ども・子育て支援金)、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税の4つ。住民税は通常引かれません。
- 協会けんぽ東京・40歳未満・扶養なし・前月の給与30万円の仮の例では、額面50万円で手取り409,130円(約81.8%)。
- 所得税の率は「前月の給料(社会保険料を引いた後)」と扶養の数で決まるため、同じ額面でも人によって手取りが変わります。
「ボーナス50万円って聞いていたのに、振り込まれたのは40万円ちょっと」。事務・営業・販売・製造など職種に関係なく、会社員なら毎回ぶつかる疑問です。この記事では、賞与明細のどこで何円引かれているのかを、一次情報の料率を使って計算します。早見表で目安をつかみ、計算例で自分の明細と照らし合わせてください。
※表と計算例の数字はすべて「説明のための仮の例」です。前提:協会けんぽ東京支部(健康保険料率9.85%)、40歳未満(介護保険料なし)、厚生年金18.3%、雇用保険(一般の事業)労働者負担5/1,000、所得税は甲欄(扶養控除等申告書を出している人)・扶養親族0人。社会保険料の円未満は50銭以下切り捨て・50銭超切り上げ、所得税の円未満は切り捨てで計算しています。
ボーナスの手取り早見表(額面20万〜100万円)
前月の給与(額面)が30万円で、通勤手当や残業代がない場合の目安です。この条件では、どの額面でも手取りは額面の約81.8%になります。
| ボーナス(額面) | 健康保険+支援金 | 厚生年金 | 雇用保険 | 所得税 | 手取り |
|---|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 10,080円 | 18,300円 | 1,000円 | 6,968円 | 163,652円 |
| 30万円 | 15,120円 | 27,450円 | 1,500円 | 10,452円 | 245,478円 |
| 40万円 | 20,160円 | 36,600円 | 2,000円 | 13,936円 | 327,304円 |
| 50万円 | 25,200円 | 45,750円 | 2,500円 | 17,420円 | 409,130円 |
| 60万円 | 30,240円 | 54,900円 | 3,000円 | 20,904円 | 490,956円 |
| 70万円 | 35,280円 | 64,050円 | 3,500円 | 24,388円 | 572,782円 |
| 80万円 | 40,320円 | 73,200円 | 4,000円 | 27,872円 | 654,608円 |
| 100万円 | 50,400円 | 91,500円 | 5,000円 | 34,840円 | 818,260円 |
社会保険料の合計は額面の14.69%(健康保険+支援金5.04%、厚生年金9.15%、雇用保険0.5%)。残りに所得税の率4.084%がかかります。前月の給料が高い人や、40歳以上の人は手取りがもう少し減ります(後半で計算します)。
ボーナスの手取りを自分で計算する3ステップ
賞与明細の数字は、次の順番で計算されています。順番が分かると、明細のどこを見ればいいかが分かります。
ステップ1:標準賞与額を出して、社会保険料を計算する
健康保険と厚生年金の保険料は、ボーナスの総支給額(税引き前)から1,000円未満を切り捨てた「標準賞与額」に料率を掛け、会社と本人で半分ずつ負担します(日本年金機構)。上限は、健康保険が年度(4月〜翌3月)の累計573万円、厚生年金が1か月150万円です。
2026年4月分からは、健康保険料と一緒に子ども・子育て支援金(0.23%、全国一律)も徴収されています。厚生労働省のQ&Aでは、賞与にも標準賞与額×0.23%がかかり、健康保険料と同じく労使で折半すると説明されています。
雇用保険料は、ボーナスの額(1,000円未満を切り捨てない)に労働者負担の率を掛けます。2026年度(令和8年度)の一般の事業は5/1,000で、前年度の5.5/1,000から下がりました(厚生労働省)。
ステップ2:前月の給料から所得税の率を決める
ボーナスの所得税は、国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で率を決めます。見るのは「前月の給与から社会保険料等を引いた金額」と「扶養親族等の数」の2つです。令和8年分の表(甲欄)の一部を抜き出すと、次のとおりです。
| 前月の給与−社会保険料等(扶養0人) | 前月の給与−社会保険料等(扶養1人) | ボーナスに掛ける率 |
|---|---|---|
| 8万2千円未満 | 10万7千円未満 | 0% |
| 8万2千円以上 9万4千円未満 | 10万7千円以上 25万円未満 | 2.042% |
| 9万4千円以上 26万円未満 | 25万円以上 28万9千円未満 | 4.084% |
| 26万円以上 30万9千円未満 | 28万9千円以上 34万6千円未満 | 6.126% |
| 30万9千円以上 34万2千円未満 | 34万6千円以上 37万3千円未満 | 8.168% |
| 34万2千円以上 37万2千円未満 | 37万3千円以上 40万1千円未満 | 10.210% |
※国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和8年分)」甲欄から抜粋。乙欄(扶養控除等申告書を出していない人)や扶養2人以上は原表で確認してください。
ステップ3:(ボーナス−社会保険料)×率=所得税、残りが手取り
計算例:ボーナス50万円、前月の給与30万円(扶養0人)
- 標準賞与額:500,000円(1,000円未満の端数なし)
- 健康保険+支援金:500,000円×(9.85%+0.23%)÷2=25,200円
- 厚生年金:500,000円×18.3%÷2=45,750円
- 雇用保険:500,000円×5/1,000=2,500円(社会保険料の合計73,450円)
- 前月の給与30万円−前月の社会保険料44,070円=255,930円 → 扶養0人の「9万4千円以上26万円未満」で4.084%
- 所得税:(500,000円−73,450円)×4.084%=17,420.30… → 17,420円
手取り:500,000円−73,450円−17,420円=409,130円
前月の社会保険料44,070円は、標準報酬月額30万円で計算した健康保険+支援金15,120円・厚生年金27,450円と、雇用保険1,500円の合計です。
同じボーナス50万円でも手取りが変わる条件
ボーナス50万円で、前月の給料・扶養・年齢を変えて比べました(その他の前提は早見表と同じ)。
| 条件(仮の例) | 前月の給与−社会保険料等 | 所得税の率 | 所得税 | 手取り |
|---|---|---|---|---|
| 前月の給与25万円・扶養0人 | 211,856円 | 4.084% | 17,420円 | 409,130円 |
| 前月の給与25万円・扶養1人 | 211,856円 | 2.042% | 8,710円 | 417,840円 |
| 前月の給与30万円・扶養0人 | 255,930円 | 4.084% | 17,420円 | 409,130円 |
| 前月の給与30万円+残業代2万円・扶養0人 | 275,830円 | 6.126% | 26,130円 | 400,420円 |
| 前月の給与35万円・扶養0人 | 297,166円 | 6.126% | 26,130円 | 400,420円 |
| 前月の給与30万円・扶養0人・40歳以上 | 253,500円 | 4.084% | 17,254円 | 405,246円 |
※月給25万円は標準報酬月額26万円、35万円は36万円の等級で計算。残業代2万円の例は、標準報酬月額は30万円のまま(月々の残業で毎月変わるものではないため)、雇用保険料だけ総支給32万円に掛けています。40歳以上は介護保険料率1.62%を加えた健康保険(9.85%+0.23%+1.62%)で計算。
前月の残業代で、ボーナスの所得税が8,710円変わることもある
上の表で「前月の給与30万円」と「30万円+残業代2万円」を比べると、前月の手取りの基準が26万円の境目を超えたため、率が4.084%から6.126%に上がり、所得税が8,710円増えています。ボーナスの所得税は前月の給料を基準にした仮の天引きなので、この差がそのまま損になるわけではありません。1年間の所得税は年末調整で計算し直され、多く引かれていれば戻ってきます。2026年の年末調整で何が変わるかは2026年の年末調整でいくら戻る?で計算しています。
住んでいる都道府県と年齢でも社会保険料が変わる
協会けんぽの健康保険料率は都道府県ごとに違います。令和8年度は、東京9.85%、愛知9.93%、大阪10.13%、埼玉9.67%です(協会けんぽ)。健康保険組合に入っている会社は、組合ごとの料率になります。40〜64歳の人は、これに介護保険料率1.62%が加わります。
ボーナスから住民税が引かれない理由
会社員の住民税は、市区町村から届く特別徴収税額決定通知書の月割の税額を、6月から翌年5月までの毎月の給料から差し引く仕組みです(東京都主税局)。そのため、ボーナスの明細には通常、住民税の欄がありません。ただし、ボーナスも年収に含まれるので、翌年6月からの住民税の額には反映されます。住民税の月額の目安は給与明細の見方まとめから、年収別の記事をたどって確認できます。
賞与明細を受け取ったら確認したい5つのこと
- 健康保険料の欄が「総支給額の1,000円未満を切り捨てた額×(自分の健保の料率+0.23%)÷2」と合っているか
- 厚生年金保険料が「標準賞与額×9.15%」と合っているか(150万円を超えるボーナスは150万円で計算)
- 雇用保険料が「総支給額×5/1,000」になっているか(2026年3月以前に支給されたボーナスは5.5/1,000)
- 所得税の率が、前月の給与明細の「総支給額−社会保険料の合計」と扶養の数から見た率と合っているか
- 扶養控除等申告書を出しているか(出していないと、表の甲欄ではなく乙欄の率で計算されます)
社会保険料と税金の違いそのものを整理したい人は、社会保険料と税金の違いは?2026年の給与明細で計算もあわせてどうぞ。
ボーナスの使い道を決める前に
手取りの額が分かったら、使う前に「どこに置くか」を決めておくと、気づいたら残っていないという事態を減らせます。順番の考え方は貯金から資産形成までの順番まとめで、①毎月の収支→②生活防衛資金→③手数料の高い支払い→④奨学金→⑤NISA→⑥iDeCoの6ステップに整理しています。手元に置く額は生活防衛資金の計算例で、積み立てに回した場合の試算は積立シミュレーターでできます。
PR(広告)|ボーナスの一部をNISAで積み立てると決めた人向けに、DMM.com証券の株式・NISA口座「DMM株」の広告を載せています。先に生活防衛資金と支払い予定のお金を分け、残った分だけにしてください。NISA口座は1人1口座なので、開く前に取扱商品・手数料・ポイントの条件を公式サイトで比べてください。投資には元本割れのリスクがあります。
ボーナスをもらってから転職を考えている人へ
冬のボーナスの支給後に退職・転職を考える人もいます。動く前に、次の点を確かめておくと段取りが組みやすくなります。
- 就業規則や賃金規程に、ボーナスの支給条件(支給日に在籍していることなど)がどう書かれているか
- 転職先の求人のボーナスが「年○か月分」なのか「業績による」なのか、前年の支給実績はどうか
- 月給とボーナスの比率が違う求人を、年収と時給換算で比べたか
- 退職日を月末にするか、月末以外にするか(退職月に支給されたボーナスの健康保険・厚生年金の保険料と、その月の保険の扱いが変わります。計算例はボーナスをもらってから辞めるなら退職日はいつ?)
求人の比べ方は転職で失敗しない求人比較(2社の比較シミュレーターつき)、全体の順番は転職の始め方まとめで確認できます。
この次に読むなら
- 給与明細の見方まとめ:毎月の給料の手取り・社会保険料・税金を項目ごとに確認
- 残業代・夜勤手当の計算シミュレーター:前月の残業代が正しいかを時給から計算
- 毎月1万・3万・5万円を積み立てたら20年後いくら?:ボーナスの一部を積み立てた場合の試算
- 転職の始め方まとめ:ボーナス後に動くなら、迷いの整理から退職のお金まで
参考資料・確認先
※この記事は2026年10月28日時点の公的資料をもとにした一般的な情報です。実際の控除額は、加入している健康保険(協会けんぽの支部・健康保険組合)、会社の端数処理、前月の給与、扶養の状況などで変わります。正確な金額は会社の給与担当や賞与明細で確認してください。