「奨学金の返済額が10月から上がった?所得連動返還の計算と確認ポイント」の記事のアイキャッチ画像

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返済額の通知を見て、
「先月より高い」と感じたら。

奨学金の返済額が10月から上がったときは、まず返還方式と、前月まで適用されていた条件を確認しましょう。所得に応じた年1回の見直しなのか、減額・猶予期間が終わったのかで、次に取る行動が変わります。

対象:JASSOの返還額変更を確認したい方、とくに第一種・所得連動返還方式の利用者
情報確認日:2026年10月5日(制度・出典。10月27日に所得連動返還の計算式・最低月額をJASSOで再確認) / 計算・家計モデル:Next Step Log

先に結論

  • 所得連動返還方式では、前年の所得等をもとに10月〜翌年9月の月額が決まります。全員が値上がりする制度変更ではありません。
  • 計算に使うのは税込年収や手取りではなく、地方税の課税総所得金額です。
  • 返還額が増えたら、増加分だけ「毎月残せるお金」が減るため、家計も同時に見直します。

今の収入では返せない方は、返還が難しい場合の確認先へ先に進めます。

出典:JASSO「2026年10月〜2027年9月の割賦金決定通知(2026年9月14日発表)」 / JASSO「返還期間と割賦金」

最初に分ける、3つの状況
自分の状況最初の確認次に読む場所
所得連動方式で、すでに返還中10月からの決定通知と前年の所得月額の計算
9月まで減額・猶予を利用承認期間の終了月と継続手続き金額が変わる理由
2026年10月に初めて返す初回月額・返還方式・振替口座新卒・初回返還の注意

10月から返済額が上がるのはなぜ?

所得連動返還方式なら、年1回の月額見直しが理由の一つです。この方式を選べるのは、原則として2017年4月以降に第一種奨学金に採用された人です。第一種を借りた人全員が所得連動方式というわけではなく、第二種の返還額にそのまま当てはめることもできません。

出典:JASSO「所得連動返還方式の対象」

2026年9月の発表は「10月からの月額」の通知

JASSOは2026年9月14日、対象者へ9月17日に決定通知を発送すると発表しました。対象は、所得連動方式で返還中の人と2026年9月に返還を開始する人。案内するのは2026年10月〜2027年9月の月額です。

これは新しい一律値上げの発表ではありません。自分の通知額が前月と違う場合に、所得や提出書類などの条件を照合するための案内です。

出典:JASSO「2026年10月〜2027年9月の割賦金決定通知(2026年9月14日発表)」

減額・猶予が終わり、通常額へ戻る場合もある

所得連動方式以外でも、9月で減額返還や返還期限猶予が終了すれば、10月から通常の返還が再開することがあります。口座の引き落とし額だけで判断せず、承認通知の終了月を見てください。

出典:JASSO「2026年9月に減額返還・返還期限猶予が終了する方へ」

「通常月額」と「今回の振替額」は分けて確認

延滞がある場合、口座振替には延滞分が含まれることがあります。「今月多く引かれた=毎月の月額が上がった」とは限りません。通知と返還状況で内訳を確認しましょう。

出典:JASSO「口座振替の加入方法・注意点」

2026年10月に初めて返す新卒の人は、計算の時期が違う

2026年3月に貸与が終わり、同年10月に返還を始める人は、通常、2027年10月から前年所得に連動した月額になります。在学猶予などで開始時期が変わる場合は、個別の通知を優先してください。

出典:JASSO「前年の所得に連動する時期」 / JASSO「定額返還方式と返還開始月」

授業料後払い制度を除く第一種の所得連動方式では、返還初年度の月額は定額方式で算出した割賦金の半額が基本です。その額でも困難な場合は、最低月額2,000円への変更申請があります。最初から全員が2,000円になるわけではありません。

出典:JASSO「返還月額の算出」

2026年3月に貸与終了・10月に返還開始する場合
期間所得連動方式の基本的な扱い
2026年10月〜2027年9月返還初年度。原則、定額方式で算出した月額の半額
2027年10月〜2028年9月2026年の課税所得等による月額

この整理は授業料後払い制度を除く第一種の例です。授業料後払い制度は初年度や扶養時の取扱いが異なるため、本記事の初年度説明を流用しないでください。

所得連動返還の月額はいくら?課税所得別の早見表

年収から直接9%を計算しないことがポイントです。JASSOの基本式を、説明用に整理すると次のようになります。

月額 =(前年の課税総所得金額 − 子どもの数 × 33万円)× 9% ÷ 12
1円未満は切り捨て。計算結果が2,000円未満なら月額2,000円。

子どもの数は当年6月1日時点の戸籍情報に基づきます。2026年10月の見直しなら、2025年の所得と2026年6月1日時点の情報が基準です。

出典:JASSO「前年の所得に連動した返還月額の算出方法」 / JASSO「所得連動返還方式におけるマイナンバーの利用」

年収300万円と、課税所得300万円は別の数字

給与の額面年収、給与所得、控除後の課税所得を混同しないでください。同じ年収でも控除などにより月額が違うため、ここでは年収からの粗い推計ではなく、課税所得そのものを変えて比較します。入力に使う数字が分からない場合は、自治体の課税証明書等とJASSOの案内を照合してください。

独自試算|課税所得と子どもの数による月額
前年の課税総所得金額子ども0人子ども1人
0万円2,000円2,000円
50万円3,750円2,000円
100万円7,500円5,025円
150万円11,250円8,775円
200万円15,000円12,525円

前提:授業料後払い制度を除く第一種・所得連動方式の返還2年目以降、貸与1件、本人は税法上の被扶養者ではない、必要な情報が取得できる場合。猶予・延滞・最終回調整などは含めません。JASSOの基本式による独自計算であり、決定通知を置き換えるものではありません。

課税所得100万円・子ども1人なら月5,025円

(1,000,000円 − 330,000円)× 0.09 ÷ 12 = 5,025円。この例では端数は出ません。子ども0人なら月7,500円なので、計算上の差は月2,475円です。

最低月額に達すると差は小さくなります。例えば課税所得50万円・子ども1人の計算結果は1,275円ですが、適用する月額は2,000円です。

表と通知が一致しないときの確認ポイント

  • 親などの税法上の扶養に入っている:本人と扶養者の課税所得を合算する場合があります。
  • 必要な所得情報や書類がそろっていない:定額方式相当の月額になる場合があります。
  • 大学と大学院などで複数回借りている:貸与ごとに月額が算出されるため、表の1件分を合計額だと思わないでください。

出典:JASSO「2026年10月〜2027年9月の割賦金決定通知(2026年9月14日発表)」 / JASSO「返還月額の算出」

理由が分からないときは、通知の金額、返還方式、奨学生番号ごとの内訳を用意してJASSOに照会します。

月6,000円増えたら、手取り20万円の家計はどう変わる?

家計への影響は「新月額−旧月額」で確認できます。返還額が月7,500円から月13,500円になった架空のケースを考えます。

基本式では、子ども0人・貸与1件の課税所得100万円なら月7,500円、180万円なら月13,500円です。ただし、以下の比較は金額差を見るためのモデルで、現在の手取り20万円からこれらの課税所得を推定したものではありません。

毎月の返還増加

+6,000円

13,500円 − 7,500円

同じ月額が12か月続く差

+72,000円

6,000円 × 12か月

独自家計モデル|支出と手取りを固定して比較
1か月の収支見直し前見直し後
手取り200,000円200,000円
生活費・予定支出の取り分け175,000円175,000円
奨学金返還7,500円13,500円
残るお金17,500円11,500円

「月1万5,000円を貯金する」と決めていた人は、見直し前には2,500円の余裕がありました。見直し後に同じ貯金を続けると、3,500円足りません。黒字が残っていても、以前の貯金目標が続けられるとは限らないのです。

当面は貯金目標を月1万円へ調整すれば、計算上は1,500円の余裕が残ります。あるいは支出を3,500円以上減らせるか確認する方法もあります。これは本記事の家計整理案であり、返還額を自己判断で減らす提案ではありません。

計算条件:手取り・支出は一定。175,000円には家賃、食費、通信費などと年間支出への取り分けを含み、奨学金返還・新たな貯金・投資は含めません。ボーナス、運用益、臨時収入は0円。月額は整数円、丸めなし。72,000円は支払う時期の差で、利息の増加額ではありません。

預金残高より先に「次の給料日まで」を見る

口座にお金があっても、カード代や家賃など未払いの予定支出があれば、その全額は使えません。まず次の給料日までの支払いを残し、その後に積立や臨時出費の予算を調整してください。

残しておく現金の考え方は、生活防衛資金の計算方法とNISAとの優先順位で確認できます。手取り別の全体予算は、手取り20万・25万・30万円の生活費と貯金の比較も参考にしてください。

今の収入では返せない場合、所得連動方式でも減額できる?

所得連動返還方式は、減額返還制度の対象外です。返還が難しい場合は、返還期限猶予の条件を確認してください。

出典:JASSO「所得連動返還での猶予・減額返還の可否」

転職や退職などで今年の収入が下がっても、算出済みの所得連動月額をその理由だけで減額できるわけではありません。「今月の給料が下がったから、来月から自動で減る」と考えず、公式窓口へ相談します。

出典:JASSO「転職・退職等で経済状況が急変した場合」

返還期限猶予は、審査で認められた期間の支払いを先に延ばす制度です。借りたお金の免除ではありません。事情に応じた申請が必要で、申請を出しただけで次回の支払いがなくなるとは判断しないでください。

出典:JASSO「返還期限猶予」

定額方式の人を含めた制度の違いは、奨学金の返済がきついときの減額返還・猶予の確認ポイントにまとめています。今回の記事では「月額が変わった原因の確認」を先に行い、必要な場合に制度選びへ進みます。

繰り上げ返済を急ぐ前に、毎月の支払いを確保

手元の現金を大きく減らしてまで繰り上げる前に、変更後の月額を払っても生活が続くか確認しましょう。月額と期間への影響は、JASSOの一部繰り上げ返済で月々は減るのかで整理しています。

今日できる3ステップ|通知・家計・口座を確認する

  1. 通知とスカラネットで金額を照合する

    返還方式、開始時期、変更後の月額、減額・猶予の終了月を確認。複数の奨学生番号がある人は、1件ずつ確認して合計します。JASSO公式のスカラネット・パーソナル案内からアクセスしてください。

  2. 差額を出し、積立・支出予算を更新する

    新月額−旧月額を計算します。貯金や投資を以前と同額にしたときに赤字にならないか確認。支払えない見込みなら、延滞する前にJASSOへ相談します。

  3. 10月の振替額を口座に用意する

    2026年10月の振替日は10月27日(火)です。JASSOは前営業日までの入金を案内しているため、通常は10月26日(月)までに必要額を用意します。同じ口座から先に引かれる家賃・カード代も考慮してください。

出典:JASSO「スカラネット・パーソナル」 / JASSO「2026年度の奨学金返還振替日カレンダー」

自分用の確認メモ
  • 返還方式・奨学生番号ごとの件数:__
  • 前月までの月額:__円
  • 変更後の通常月額合計:__円
  • 今回実際に必要な振替額:__円
  • 毎月の差額:__円
  • 返還後に残るお金:__円
  • 次の給料日までに必要な他の支払い:__円
  • 通知と合わない点・相談したいこと:__

通知の理由、家計の差額、次回の振替額。この3つが分かれば、「なんとなく高くなった」という不安を、確認や相談ができる具体的な数字に変えられます。

この次に読むなら

Next Step Log運営者。会社員として働きながら、20〜30代の社会人に向けて、給料、税金、社会保険、貯金、資産形成、転職について、国税庁・日本年金機構・厚生労働省などの一次情報を確認して解説しています。

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