最低賃金2026 月給制でも下回っていない?時給換算の式・除外する手当・都道府県別早見表

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月給制でも、最低賃金は
「時給に直して」比べる。

情報確認日:2026年10月25日(10月27日に各都府県の金額・発効日と加重平均を厚生労働省の全国一覧で再確認)|給料・税金

  • 2026年度の最低賃金は全国加重平均1,177円(前年から56円アップ)。発効日は都道府県ごとに10月1日〜12月2日とばらばらです。
  • 月給制の人は、対象になる賃金 ÷ 1か月の平均所定労働時間で時給に直して比べます。
  • 残業代・深夜割増・通勤手当・皆勤手当・家族手当・賞与は計算から除くので、総支給が多くても下回ることがあります。

「最低賃金はパートやアルバイトの話」と思われがちですが、基本給が低めで手当や残業代で総額を作っている月給制の正社員にも関係します。今年は引き上げ幅が大きく、9月までは問題なかった給料が、発効日以降に下回るケースもあり得ます。

この記事では、厚生労働省の公表資料をもとに、月給を時給に直す方法、除外する手当、都道府県別の「月給の最低ライン」早見表をまとめました。

2026年度の最低賃金と発効日(主な都道府県)

2026年度の地域別最低賃金は、全都道府県で答申が出そろい、順次発効しています。一部の地域を抜き出しました。

都道府県新しい最低賃金改定前発効日
東京1,280円1,226円10月1日
神奈川1,279円1,225円10月1日
大阪1,231円1,177円10月1日
埼玉1,196円1,141円10月1日
愛知1,195円1,140円10月1日
静岡1,154円1,097円10月15日
三重1,143円1,087円10月1日
広島1,141円1,085円10月11日
茨城1,136円1,074円10月18日
栃木1,125円1,068円10月1日
群馬1,120円1,063円10月3日
福岡1,114円1,057円10月4日
熊本1,092円1,034円12月1日
宮崎1,085円1,023円10月24日
全国加重平均1,177円1,121円―

11月以降に発効する県(山梨・徳島・愛媛・大分は11月1日、佐賀は11月15日、京都は11月16日、岩手・熊本は12月1日、沖縄は12月2日など)もあります。全47都道府県の金額は、参考資料の厚生労働省の一覧で確認してください。

月給を時給に直す式

厚生労働省が示している月給制の確認方法は、次のとおりです。

(月給のうち最低賃金の対象になる部分)÷(1か月の平均所定労働時間) ≧ 最低賃金(時間額)

「1か月の平均所定労働時間」は、1年間の所定労働時間 ÷ 12で出します。1日8時間勤務なら、年間休日の日数でおおよそ次のようになります。

年間休日年間の所定労働時間1か月の平均
105日260日 × 8時間 = 2,080時間約173.3時間
120日245日 × 8時間 = 1,960時間約163.3時間
125日240日 × 8時間 = 1,920時間160時間

交替制で1日の所定時間が8時間でない場合や、会社カレンダーで出勤日が決まっている場合は、会社カレンダーの年間出勤日 × 1日の所定労働時間で計算します。正確な時間は就業規則や会社カレンダーで確認してください。

計算に入れる賃金・除く賃金

最低賃金の対象は「毎月支払われる基本的な賃金」です。厚生労働省は、次の賃金を除いて計算するよう案内しています。

除く(最低賃金の対象外)

  • 結婚手当などの臨時の賃金
  • 賞与(ボーナス)
  • 時間外割増賃金(残業代)
  • 休日割増賃金
  • 深夜割増賃金
  • 通勤手当
  • 家族手当
  • 精皆勤手当

入れる(上の一覧にないもの)

  • 基本給
  • 職務手当(厚生労働省の計算例でも除外されていません)
  • そのほか、上の一覧にない毎月の固定的な手当

手当の扱いに迷う場合は、都道府県労働局または労働基準監督署に確認するのが確実です。

夜勤・残業がある人がとくに注意したい点

  • 夜勤の深夜割増は除外されます。夜勤が多くて総支給が高くても、基本給部分が低ければ下回ることがあります。夜勤手当の計算は夜勤手当の確認方法で解説しています。
  • 残業代も除外です。「残業込みで月25万円」は、最低賃金のチェックには使えません。
  • 皆勤手当も除外です。皆勤手当が大きい給与体系ほど注意が必要です。
  • 派遣社員は、派遣先の事業場がある都道府県の最低賃金が適用されます。

計算例:総支給25万円近くでも下回るケース

静岡県で、年間休日120日・1日8時間の月給制で働く人を想定します(説明のための仮の例です)。

給与明細の項目金額最低賃金の計算
基本給165,000円入れる
職務手当10,000円入れる
交替手当(毎月定額)8,000円入れる(除外一覧にないため)
皆勤手当5,000円除く
通勤手当12,000円除く
深夜割増18,000円除く
残業代30,000円除く
総支給248,000円

① 対象になる賃金
165,000円 + 10,000円 + 8,000円 = 183,000円

② 時給に直す
183,000円 × 12か月 ÷ 1,960時間 = 約1,120円

③ 比べる
改定前の静岡県(1,097円)なら上回っていましたが、10月15日からの1,154円は下回ります。

このように、去年と同じ給料のままだと、今年の引き上げで基準を下回ることがあります。10月以降の給料で基本給が上がっているか、確認しておきましょう。

自分の給与明細で確かめる:最低賃金チェッカー

上の計算例と同じ手順を、47都道府県の2026年度の最低賃金で自動計算します。初期値は静岡県の計算例と同じ数字です。給与明細から、最低賃金の計算に入れる賃金だけを入れてください。発効日前の県では、改定前の金額とも比べます。

最低賃金チェッカー(月給制・47都道府県)

給与明細の数字を入れると、時給に直して2026年度の地域別最低賃金と比べます。入力はこのページの中だけで計算し、送信しません。初期値は本文の計算例(静岡県)です。

派遣社員は派遣先の所在地
円
円
職務手当・交替手当など。残業代・深夜割増・休日割増・通勤・家族・皆勤手当・賞与は入れない
日
会社カレンダーで確認
時間
休憩を除いた決められた時間
時間
入れると年間休日・1日の時間より優先。日によって所定時間が違う人向け

あなたの時給換算—

データ:厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金全国一覧」(2026年10月27日確認)。計算式:(基本給+含める手当)÷ 1か月平均所定労働時間(年間所定労働時間÷12)。年間所定労働時間を入れない場合は(365日-年間休日)×1日の所定労働時間で計算します。産業別の特定最低賃金、減額特例の許可、うるう年の日数は反映していません。手当を含めるかどうかに迷う場合は、都道府県労働局または労働基準監督署に確認してください。

早見表:月給の最低ライン(対象賃金の合計)

最低賃金 × 1か月の平均所定労働時間で、「対象になる賃金」が最低いくら必要かを出しました(1日8時間・円未満切り上げ)。上で計算した①の金額が、この数字以上かを見てください。

都道府県年間休日105日
(173.3時間)
年間休日120日
(163.3時間)
年間休日125日
(160時間)
東京(1,280円)221,867円209,067円204,800円
神奈川(1,279円)221,694円208,904円204,640円
大阪(1,231円)213,374円201,064円196,960円
埼玉(1,196円)207,307円195,347円191,360円
愛知(1,195円)207,134円195,184円191,200円
静岡(1,154円)200,027円188,487円184,640円
三重(1,143円)198,120円186,690円182,880円
広島(1,141円)197,774円186,364円182,560円
茨城(1,136円)196,907円185,547円181,760円
栃木(1,125円)195,000円183,750円180,000円
群馬(1,120円)194,134円182,934円179,200円
福岡(1,114円)193,094円181,954円178,240円
宮崎(1,085円)188,067円177,217円173,600円

年間休日が少ないほど労働時間が長くなるため、必要な月給は高くなります。表にない都道府県は「最低賃金 × 自分の平均所定労働時間」で計算できます。

製造業は「特定最低賃金」も確認する

地域別最低賃金とは別に、都道府県ごとに特定の産業を対象にした特定最低賃金が定められていることがあります(2026年4月1日時点で全国223件)。両方が適用される場合は、高い方の金額以上を払う必要があります。自分の勤務先の業種が対象かどうかは、厚生労働省の「最低賃金制度」サイトで確認できます。

10分でできるチェックリスト

  • 自分の勤務地(派遣なら派遣先)の都道府県と、新しい最低賃金・発効日を確認した
  • 給与明細から、残業代・深夜割増・休日割増・通勤手当・皆勤手当・家族手当を除いた
  • 会社カレンダーか就業規則で、年間休日と1日の所定労働時間を確認した
  • 「対象賃金 × 12 ÷ 年間所定労働時間」で時給を出した
  • 発効日以降の給料で、その時給が最低賃金以上になっているか確認した
  • 製造業なら、特定最低賃金の対象かどうかも確認した

下回っていそうなときの聞き方の例

計算が合っているか自信がないときは、責める言い方よりも、根拠を確認する聞き方がスムーズです。

  • 「最低賃金の改定に合わせて、基本給の見直しはありますか?」
  • 「最低賃金の確認に使っている1か月の平均所定労働時間は何時間ですか?」
  • 「交替手当(など迷う手当)は、最低賃金の計算に含まれていますか?」

会社で解決しない場合は、都道府県労働局や労働基準監督署に相談できます。

給料の見直しを考えるきっかけにも

最低賃金ぎりぎりの基本給で、残業や夜勤で手取りを作っている働き方は、残業が減ったときに収入が大きく下がります。基本給の水準は、転職先の求人を比べるときにも重要なポイントです。求人票の給与内訳の見方は求人比較の記事、転職の進め方は転職エージェントの選び方の記事で解説しています。給与明細全体の見方は2026年の給与明細の確認点もどうぞ。

よくある質問

Q. 賞与が多ければ、月給が最低賃金を下回っていても問題ありませんか?

賞与は最低賃金の計算から除かれます。賞与が多くても、毎月の対象賃金を時給に直した額が最低賃金以上である必要があります。

Q. 発効日が月の途中の場合はどうなりますか?

新しい最低賃金は発効日から適用されます。給料の締め日・支払日との関係で、どの給料から反映されるかは会社の計算期間によるため、給与担当に確認してください。

Q. 試用期間中は最低賃金より低くてもいいのですか?

最低賃金は原則としてすべての労働者に適用されます。減額の特例には都道府県労働局長の許可が必要とされているため、試用期間というだけで自動的に低くできるわけではありません。気になる場合は労働局に確認してください。

参考資料・確認先

※この記事は仕組みを理解するための一般的な情報です。手当の扱いや所定労働時間は会社の就業規則・賃金規程によって異なります。個別の判断は、会社の担当部署、都道府県労働局または労働基準監督署にご確認ください。

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